アップリカ葛西会長の葛西健蔵さんが旗振り役になって小児科医らと取り組む育児学の普及・啓発運動が、今夏から国内外を舞台に新たな展開に入る。乳幼児を対象に学際で「育児幸せ学」と命名した学問を正式に興し、一挙に支援の輪を広げようというもの。少子高齢化時代を迎え熱気を帯びる一方の子育て論議。81歳の葛西さんは「“三つ子の魂百まで”を科学的に解明すれば世界に貢献できる」と意気盛んだ。
「学術会議も活発だ。来年は区切りの国際会議を開く。4年前に私どもは(未熟児医療で著名な)東京女子医科大の仁志田博司教授とチームを組み、ローマから講演・診察ツアーしながらシルクロードを走るキャンペーンを始めた。育児学の普及を呼び掛けるランニングツアーで、来秋に最終ゴールの奈良・東大寺に入る。そこで二十数カ国から専門家を招き日本発世界基準の育児学立ち上げ宣言を行う予定だ」
かっさい・けんぞう 大阪市生まれ。1947年創業。1代で高級ベビーカーなど育児機器の世界的メーカーに押し上げる。2001年社長を退き会長に。アップリカ育児研究会、国際育児幸せ財団などを活動母体に国内外で幅広い育児研究支援に取り組み、高い評価を得る。
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news008562.html